エンプロイーサクセスチームは、2021年から「専門職サポート」というサービスをスタートしました。「専門職サポート」は、企業の人事・労務担当者を対象に産業保健体制構築をサポートするものです。
今回は「専門職サポート」で活躍しているきくち陽子のこれまでのキャリアや産業看護師として心がけていることなどを、彼女が全面的に携わってきた「健康相談窓口開設」のプロジェクト事例を通して紐解きます。
「医者や病院がいらない世界へ」という想いに惹かれ、iCAREへ
きくちは、美容業界で数年勤務後、看護師免許を取得しキャリアチェンジしました。
専門学校を卒業後、消化器内科病棟に勤務。その後、地域に根ざした医療に関心を持ち、地域のクリニックに転職。その中で、病気になる前段階でできることはないかと「予防医療」に興味を持ちます。
そんな中で見つけたのがiCAREでした。ですが、きくちにとってスタートアップ企業は未知の世界。それまでは決められたことをコツコツとこなす働き方をしてきたため、iCAREに飛び込むことに心配もあったと言います。彼女はなぜこの会社で働こうと思ったのでしょうか。
きくちの所属するサービスコンサルテーション部門は、コミュニティクリエイションチーム(通称:CC)とエンプロイーサクセスチーム(通称:ES)の2チームで構成。きくちは入社以降、ESチームの一員として、テキストカウンセリングによる従業員サポートに従事してきました。
カウンセリングにおいては看護師の経験が活かされるものの、看護師と産業保健の違いに悩んだこともあったと言います。
2021年7月からは、BtoB向けの新サービスとなる「専門職サポート」がスタートしました。企業内の産業保健体制の構築を行うサービスで、サポート対象は人事・労務担当者。社内で起きる産業保健関係の問題についてヒアリングし、課題の明確化や優先順位づけ、施策の提案など、コンサルティングの形で携わるものとなります。
きくちはこの専門職サポートを行いながら、従業員サポートとしても企業に入り込み、カウンセリングや保健指導を行っています。
オンライン保健室を開設したことで、潜在ニーズが可視化された
きくちが専門職サポートとして伴走する企業の中で、「従業員のメンタルヘルスやフィジカル面のサポートに注力したい」という要望を受け、企業内健康相談窓口を立ち上げるプロジェクトが始まりました。
その概要と具体的な施策を、立ち上げから実際の従業員相談まで一連の流れ全てに対応したきくちの視点から紹介します。
窓口に寄せられる相談内容は、「睡眠に関すること」や「仕事のモチベーション・メンタルヘルスに関すること」をはじめ、中には「キャリアの築き方」についての相談もあるようです。体調不良からキャリアまで、何でも気軽に話せるというのは、さながら“保健室の先生”。看護師の経験も生かしながら、きくちは奮闘しています。
職種の層の厚さと業種業界の幅の広さがESチームの強み
今回のプロジェクトでは、人事担当者の健康意識や課題意識が高く、多くの協力も得られたため、円滑な立ち上げと運用を実現しました。ただ、企業規模やフェーズによって、意識やできることには差があります。多様なタイプの企業に合わせ、きくちはコミュニケーションの取り方を工夫しています。
産業保健の領域は、定量的な評価が難しい仕事です。それでも、前述の健康相談窓口のように、予測以上の相談数を実現したことや、円滑にプロジェクトを推進できていることに対して、やりがいを感じるときくちは言います。
ESチームの強みは、看護師や保健師、助産師、臨床心理士など、多様な資格を持ったメンバーが集まっていること。さらに、1人ひとりが常に複数の企業をサポートしているため、様々な業界における働き方や産業保健の知見が蓄積されていくのも特徴です。
不調の早期発見、早期復調につながる取り組みを続ける
iCAREに入社して約3年。入社後の会社について「いい意味で裏切られた」とも語るきくち。
産業保健体制の構築は1か月や2ヶ月でできるものではなく、半年〜1年以上の長期で取り組んでいくものです。すぐには成果が見えにくい中でも、企業の担当者とじっくり伴走しながら問題解決していくのがESメンバーの役割。
このような現状に対応すべく、きくちは「兆しを見つけ、不調になる前段階での介入や早期の復調につながるような取り組みを進めていきたい」と意気込んでいます。
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