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大人こそ、頭の筋トレをすべき理由

※この記事は2018年2月16日に投稿されたものです

どうも、マーケッターの小川です。今日は頭を賢くするお話。

文字数: 5073文字 読了まで11分49秒


「センター試験」、知ってます?
そう、あの毎年1月2週目か3週目の土日にある高校三年生(+数年)の若者が全国一斉に同じ問題を解くあの試験です。「共通一次」の方が通じる方もいるかもしれません。

※2020年には「大学入学共通テスト」に変わるので、センター試験も残すところあと1回ですね。(2018年2月現在)

実は私、センター試験を毎年受験しております。
・・・受験といっても翌日に公表される問題を自宅で本番さながらに解いてるわけで。科目は国語・英語(リスニング除く)・数学(IA・IIB)の3教科4科目。目標としては得点率60%を目指していますが、ここ数年は50%台になってしまっているので奮起が必要です。。。

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2018年度のセンター試験では史上初の満点(900点)が出ました!


なぜ、大人になってセンター試験?

自宅で受験するとはいえ、センター試験にチャレンジするのって結構時間がとられるんですよ。3教科4科目の場合だと、80分+80分+60分+60分=4時間40分の試験時間に加えて休憩時間を入れると8時間近くの長丁場。

もちろん受験するからにはある程度の得点を確保したいので、毎年問題集を新しく購入したり。最近では予備校の動画授業を受けたりしてます。

社会人にとっては時間もお金もかかるセンター試験、なぜわざわざチャレンジするのかというと、これ「頭の筋トレ」のためなんです。


老害になりたくなければ、勉強するしかない

「世の中の流れは早いなぁ」

そう思うことはありませんか?AIや暗号通貨がSF小説の世界のように見え、芸能人や流行語は聞いたこともないことが増え、テレビはAbemaで見て、不用品はメルカリで処分し、twitterよりもインスタで友達に絡み、誰でもYouTuberとして生放送しちゃう。

あ〜ついていけないなぁ、と。そんなあなた自身も学生の頃にはきっと時代の流れについていけたはずなんです。

でも、なぜか歳をとるにつれて世の中の流れについていけなくなる。新しいことがスンナリと頭に入ってこなくなる。

これは「老化」でしょうか?いいえ、違います。

今のあなたは日々、「勉強」していないから
頭の中に最新の技術や新しい分野の話題を受け入れるだけの余地がなくなっているだけです。

子供たち、つまり学生は毎日のように勉強という名の「基礎トレーニング」を積んでいます。新しいことを知り、使い、もし忘れそうになったら思い出す。できるようになるまで何度も何度も繰り返す。そんなトレーニングを通して頭を鍛えていってるんですね。

だから新しいことをスンナリと受け入れられる。

一方で大人たち、つまり社会人は勉強をしていません(できる時間がありません)。残念ながら、仕事は決して頭のトレーニングにはなりませんよね。仕事が頭のトレーニングになるのであれば、世の中にこれほど「大人の勉強法」に関する書籍はあふれていないでしょうから。

大人になっても脳は衰えない
歳をとればとるほど脳は衰えていく、、、ということはない。

マサチューセッツ工科大学の認知科学研究者による研究では、
総合的な情報処理能力は18才前後がピークではあるものの、
集中力は43才前後で、
計算能力は52才前後でピークを迎えるとのこと。

いやそんなことはない、と思った方は要注意です。

脳自体は年をとっても衰えるわけではないのだから、もし衰えているというなら脳を働かせるトレーニングを怠っているからです。

老害という言葉が生まれました。

老害とは、
新しいことについていくことが難しく、自己を否定されたかのように錯覚してしまい、つい強硬な姿勢でつっぱねてしまう。そんな高齢者のことです。

主に若者から発せられる言葉であり、もしかすると今のあなた自身も老害にはなりたくないなぁと思っているかもしれません。しかし、時が経つにつれ新しいことを受け入れられなくなってくるとどうしても頑固者になってきてしまう、かもしれません。

新しい時代がどのような方向に進んでいくのは分かりませんが、時代が流れ続けることは間違いなく、そんな流れについていくことができず、老害として忌み嫌われるか、現役のまま第一線で活躍し続けられるか。

その分かれ目が、頭の筋トレにある!と考えています。


頭の筋トレで3つの力を鍛える

いよいよ筋トレの話です。

通常の身体の筋トレに取り組んだことがある人ならご存知だとは思いますが、筋トレとはただ単に筋力を向上させれば良い、というものではありません。筋トレにおいて大事なことは次の3つの力を意識して鍛えること。

・筋力
・持久力
・回復力


頭の筋トレでも同様にこれら3つの力を意識して鍛えることで、仕事でもプライベートでも実生活に役立つ頭を育てていくことができます。

それでは、3つの力それぞれについて解説しておきましょう。


「筋力」は専門分野を決める

社会人としてキャリアを積んだ人なら一つや二つ専門分野と呼べるものが身についているはずです。

T型人材やΠ(パイ)型人材という言葉が表す通り、仕事に求められるスキルが高度になってきている時代。専門分野において存分に力を発揮できる人が求められていますし、一つよりも複数の専門分野を股にかけて活躍できる人はより希少になってきています。

こう言った専門分野を決める要素こそが頭の「筋力」。
ポイントは単なる知識量ではなく、

バランスが大事
専門分野を決める筋力のバランスとは、アスリートの身体つきを見てもらえればイメージがつきやすいでしょう。同じ陸上選手でも100m走とマラソンの選手ではまったく鍛えるべき筋力が異なります。

つまり、自分の専門分野ではどんな筋力が必要なのか?どれくらいのレベルまで鍛えるべきなのか?を知る必要があります。

たとえば、私の専門はWEBマーケティングです。必要な頭の筋力は、

読み手に刺さる文章を生み出す、企画力と国語力
アクセス解析を使って統計的に、現状を分析する力
スケジュール通りにことを運ぶ、事前に予想する力
世の中のトレンドを逃さない情報収集力、など。


たとえば、ホテルマンにとっての必要な頭の筋力は、

顧客の特徴・趣味趣向を捉える、観察力と記憶力
ホテルの稼働状況をリアルタイムで把握する、空間認識力
トラブルに対処する、ネゴシエーション力
インバウンド観光客や外国文化への、理解力

注意しなければいけないことは、バランスの悪い筋力をつけないこと。

マラソン選手が腕力を必要以上につけてしまっては悪影響がでてしまうように、専門分野とかけ離れた筋力をつけてしまうことは時間のムダだけでなく、悪影響を及ぼす可能性があります。

自分が鍛えるべき頭の筋力を見極めることが肝心です。


「持久力」によって一流と二流が別れる

『究極の鍛錬』という本があります。
これは偉業を残す人と凡人の差は何なのか?についてアプローチした書籍です。いわゆる「一万時間の法則」の通り、スポーツにしろ、音楽にしろ、一流である人は膨大で効果的なトレーニングを続けているということを実例と共に解き明かしています。

ひとつ例をご紹介します。

女性で初めてチェスのグランドマスターになったスーザン・ポルガー。彼女は幼少期からチェスを始め、学校に通うこともなく一日に10時間以上をチェスに費やす日々を送りました。4才で大会で勝ち、15才で世界進出、そして21才で女性初のグランドマスターとなりました。

そして一万時間の法則を証明したのは、彼女の姉妹です。彼女には二人の妹がおり、彼女たちも幼少期からチェスの英才教育を受け、3人ともがグランドマスターに。末っ子のユディトにあっては15才でグランドマスターとなり、あのボビー・フィッシャーを塗り替え、歴史上最強の女性チェスプレイヤーと言われています。

この例から興味深いのは、長女のスーザン・ポルガーがもっともチェスに対する情熱が薄く、チェスの成績ではもっとも低かったという点です。

長く続けることが一流と二流を別ける。では、長く続けるために必要なことは、

強い情熱を持つことができるか

「好きこそ物の上手なれ」ということわざの通り、頑張らなければモチベーションが上がらないような分野で一流になることは厳しいでしょう。もちろん長く続ければ必ずしも一流になれるわけではありませんが、世の中の飛び抜けた業績を築いてきた人は間違いなく効果的なトレーニングを人よりも長く続けています。

人は、いつでも諦める理由を探している生き物です。

エンジニアには35才定年説があります。
プロ野球選手の平均寿命は9年未満ですし、将棋は30代が全盛期と言われます。

しかし、一流と呼ばれる人たちは間違いなくそれ以上に長く続けているし、誰よりも強い情熱を持って取り組んでいます。

凡人で終わりたくないのであれば情熱を燃やして持久力を向上させていきましょう。


「回復力」によって成長する

逆説的ではありますが、
回復するためにはダメージを受ける必要があります。ダメージを癒すために回復するのではなく、回復するためにダメージを受ける。

この考え方は身体の筋トレでは常識です。
筋肉を鍛えるためには一定以上のダメージを与え、そこから超回復することで以前よりも成長させることこそが筋トレです。

もしダメージを受けることがないなら、回復する機会を得ることができず現状以上の製法は望めなくなってしまいます。

頭を鍛える上でも、
専門分野の筋力を身に付け、一流を目指して圧倒的な持久力を発揮しようとも、それを世に出してフィードバックを得ない限り成長は望めません

自分以外の他人からの視点、そこからのフィードバックというのは少なからずダメージを受けます。自分では気付かなかった死角からの一言を受けることは辛いものです。

「構え、撃て、狙え!」


私が仕事を進める上で心掛けていることです。普通なら狙って撃つというところが、撃ってから狙うという順番にしています。なぜなら、狙いを定めるよりも、撃ってみて軌道修正を図る方が間違いなく目的に近づけるからです。

とりあえず失敗してみる。そして正す。
一度の失敗が致命傷になりかねない環境ではなかなか難しいことではありますが、頭の回復力を高めていくためにはダメージを受けることを恐れず進むことが必要になってきます。


まとめ: 頭の筋トレ

以上、頭の筋トレで鍛えるべき3つの力についてお話してきました。もしかすると途中があまりにも長いので飛ばしてきてしまった方もいるでしょうから、ここでざっくりとまとめておきますね。

筋力
・専門分野に必要な筋肉を見極めよう。
・不要な筋力のトレーニングに時間は費やさない。
・あなたの専門分野は何ですか?そこに必要な力をリストアップしてみましょう。
持久力
・一流と二流の違いは、諦めず続けることができるか
・続けることは辛い。だからこそ情熱を持てる分野に集中しよう。
・あなたがお金や名声といった対価がなくても続けられる習慣は何ですか?
回復力
・成長するためには、ダメージを受けて超回復を促すことが重要
・他人からのフィードバックは少なからずダメージを残す
・あなたが取り組んでいることを定期的にアピールできる場所はありますか?


大人たちよ、若い者に負けるわけにはいかないぞ!

頭の筋トレ、私にとってはそれが毎年のセンター試験なんです。語学力や計算力といった筋力を鍛え、いかに最小の努力でテストの点数をとるかに試行錯誤し、最後に答え合わせによるフィードバックが受けられる。非常にバランスのいいトレーニングだからです。

人間は世代を経るごとに賢くなってきています。
イギリスの大学研究チームの研究では1950年生まれの人のIQと比較して現代は約20ポイントほど上がっている、とのことです。実感としても祖父母の世代と今の私たちでは教育のおかげか抽象的なことを考える力は上です。

このように今の中高生は間違いなく私たちよりも高い次元で物事を考える頭を持っています。テレビしかなかった時代からインターネットが主流の時代になり、これからはネットとリアルといった区別がない時代へと突入して行きます。

しかし、時代の流れが早いからといってそうやすやすと若い者には負けるわけにはいきません。私たちもまだまだ現役世代、一緒に頭を鍛えて行きましょう。

最後にトーマス・エジソンからの言葉を添えて終わりとしましょう。

「私たちの最大の弱点は諦めることにある。
成功するのに最も確実な方法は常にもう一回だけ試してみることだ」

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