「iCAREで働くエンジニアの健康を創る」ことで事業成長へーー新VPoE就任の背景と開発組織への想いとは
iCAREでは2022年11月、新VPoE(Vice President of Engineering)として工藤大弥(くどうまさや)が就任しました。
前任の安田からバトンが渡されてから数か月間空席となっていたVPoE。
今回はその重要性と、iCAREに参画して約2年の工藤がなぜ今VPoEとなるのか、今後どのようなエンジニア組織をつくっていくのか。新VPoE・工藤とDevelopment部 部長・岩崎登(いわさきのぼる)が対談を行いました。
フリーランス、スタートアップCTOを経てパートナー、社員、そしてVPoEへ
工藤はWebエンジニアとして約13年のキャリアを歩んでいます。高校からプログラミングを学び、IT系専門学校卒業後、ソーシャルゲームの受託開発を行うベンチャー企業に入社。その後フリーランスエンジニアとして様々なベンチャー企業・スタートアップでプロダクト開発に従事してきました。
その後2020年11月からiCAREの業務委託パートナーとしてジョイン。2022年1月からは正社員として入社し、この度VPoE就任となりました。
0→1のプロダクト開発の経験が長い工藤は約1年間、プロダクトの改修や機能改善、新規開発に携わりながら、社内のメンバーとも信頼関係を築きます。その結果、正社員になる際には、新機能開発プロジェクトのリーダーを任されることが決まっていました。
次に、Development部部長・岩崎登について紹介します。
もともと岩崎はデザイナーやカメラマンを仕事にしており、最初の技術との接点は、趣味としてプログラミングとオープンソースソフトウェアのコミュニティ活動を行っていたことでした。ですが、デザイン系の部署でマネジメントを行う中で体を壊し、休養を経て復帰するときに今度は技術側の仕事をすることを決意。
ストレージ製品開発を行うエンジニアとして新たなキャリアを築き始めました。その後ソーシャルゲームのインフラ構築・運用を行っていたとき、iCAREジョイン前の石野と出会い、一緒に仕事をすることになります。
岩崎はマネージャー経験が豊富であり、iCAREでは当初、SREチームのエンジニアリングマネージャーを務めます。さらに会社の技術面を全体的に見るべく、2022年6月からDevelopment部の部長に就任しました。
今のiCAREに必要な「大きくなる準備」
iCAREには組織面での課題が立ちはだかっています。現在100名後半の規模で、少数精鋭のスタートアップから、組織化・仕組み化が必要な会社へと進化しようとしているフェーズ。岩崎は今の当社を「一番難しい、境目の段階」と表現します。
「大きくなる準備」とは、会社の仕組み面の整備だけではありません。マネジメント面だけでなく、働く人が持つマインドも変わってきます。小さなスタートアップと大企業では従業員のコミュニケーション方法も違えば、モチベーションや勤務にあたる際の精神状態も違ってきます。
人数が増えればチームや部署も増えていき、それに伴ってコミュニケーションが取りにくくなる部分は大きいでしょう。それぞれの部署にはどんな人が働いていて、どのような仕事を行っているのか見えづらくなると、組織と組織の間に情報が落ちてしまったり、他部署との摩擦や軋轢など、感情的な問題が生じたりしやすくなります。当社の現状の課題は、いち早くそれを切り替え順応していくことです。
Development部は現在社員・パートナー合わせて40人ほどの組織。それもこの1年で倍近い規模へと拡大しています。少人数だったころは1つのプロダクトに全員で取り組む形で十分効率的でした。
しかし数十名規模となると、機動力と業務効率、コミュニケーション効率を担保するための役割分担が非常に重要となりました。そこで当社でも最近は、プロジェクトチームごとの業務推進やマネジメントができる体制を整え、実行し始めたところ。「今後プロジェクトが増えても対応できる体制」に切り替えています。
VPoE登用の決め手は「現場からも経営陣からも厚い信頼を得ていた」こと
当社としてVPoE採用は優先課題として3ヶ月以上にわたり行ってきました。当初は外部から採用することを想定していましたが、「当社のエンジニアメンバーに寄り添って考えることができ、現場に受け入れられる人」と考えると、社内から出すのがいいのではないか?そんな想いから、内部から登用するという結論に至ったのです。
採用要件としてVPoEに求めていたのは、エンジニアリング部分の裏づけがしっかりしていて、エンジニアメンバーの目標になるような人。あるいは、困ったことがあっても「この人がいるなら大丈夫だ」という安心感を現場に与えられるような人。この2点において、工藤がマッチしたと岩崎は言います。
VPoEの打診を受けたときの気持ちを工藤はこう語ります。
工藤はこれまで初期のスタートアップ、少人数のプロジェクトチームへの参画を中心としたキャリア形成をしてきたため、この規模の開発組織づくりを実際に行った経験はほとんどありません。そんな中でなぜ「VPoEにチャレンジしてみたい」と考えたのでしょうか。
工藤は長年の経験から一(いち)エンジニアとして機能開発や改修などの「できること」を提供することだけでなく、「自分がチャレンジしたいこと」の経験を得ることも、当社で実現しているのです。
会社としてもVPoEを置くことにより、開発組織全体のバランスが取れます。さらにDevelopment部長の岩崎にとっても業務がしやすくなったようです。
部長は組織の仕組み、働き方、コスト面の管理を行い、VPoEは「Carely(ケアリィ)」というプロダクトの価値を向上し、さらに広く提供していくためのエンジニアリングからデリバリーまでを見ていく。「守り」と「攻め」ともいえる役割をしっかり分けることで盤石の組織体制をつくることが可能となります。
親族や自身の経験から感じていた「働くひとの健康課題」とその解決への想い
新VPoEの工藤に、開発組織の今後について考えていることを聞きました。
働きやすさ、働きがい、スキルアップのそれぞれを実現するためにできることはまだたくさんあると工藤は考えています。これらの取り組みを通じて、iCAREでエンジニアとして働くことに誇りを持ってもらえる環境をつくり、会社としての持続的な事業成長につなげられる開発組織を構築することを見据えています。
これは部長の岩崎も同様です。
また今後、会社として1つのターニングポイントになるであろうIPO。その成功のためにも、体制構築や仕組み化は必須であることは間違いありません。
さらに岩崎は、他社から見たメンバーへの評価も信頼につながってくると考えています。「iCAREで働いている人は総じてしっかりしている」。この信頼感がサービス自体の信頼感にもつながるからこそ、エンジニアの育成や労働環境を大事に整えていこうとしているのです。
現状の組織課題を認識し、そこにしっかりと向き合うことで社会的な価値を増やし続ける。新VPoEの就任は、そんな当社の開発組織のさらなる成長をドライブする機会になると期待されます。