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「iCAREで働くエンジニアの健康を創る」ことで事業成長へーー新VPoE就任の背景と開発組織への想いとは

iCAREでは2022年11月、新VPoE(Vice President of Engineering)として工藤大弥(くどうまさや)が就任しました。

前任の安田からバトンが渡されてから数か月間空席となっていたVPoE。
今回はその重要性と、iCAREに参画して約2年の工藤がなぜ今VPoEとなるのか、今後どのようなエンジニア組織をつくっていくのか。新VPoE・工藤とDevelopment部 部長・岩崎登(いわさきのぼる)が対談を行いました。

岩崎 登(Noboru Iwasaki)Development部 部長/写真左

==経歴==
エンジニア時代はストレージ・ソリューションの構築・運用や、ソーシャルゲームのインフラ構築・運用に携わり、セールスエンジニアとして直接お客様の課題解決に取り組む。
近年は、プロジェクトマネージャーとして、プロジェクト全体の管理や、エンジニアを取りまとめるマネージャーとして組織作りに従事。
2021年10月よりエンジニアリングマネージャーとしてiCAREへジョインし、SREチームリーダーを経て、今年6月より開発部の部長を努めている。

工藤 大弥(Masaya Kudo) Development部 VPoE/写真右

==経歴==
茨城県水戸市出身。
2009年、IT系専門学校卒業後、受託開発を行うベンチャー企業にてWebエンジニアの道を歩み始める。0→1の新規Webサービス開発を得意とし、シード期のスタートアップのリードエンジニアや、CTOを経験。

過労により休職をした経験もあり、自身や組織の健康づくりに対して関心が高く、2020年11月より業務委託としてiCAREにジョイン。2022年1月より正社員となり、開発プロジェクトのリードやチームビルディングを担う。2022年11月よりVPoEを務め、品質の高いプロダクトをスピーディに届け続けるための体制づくりに従事。

フリーランス、スタートアップCTOを経てパートナー、社員、そしてVPoEへ

工藤はWebエンジニアとして約13年のキャリアを歩んでいます。高校からプログラミングを学び、IT系専門学校卒業後、ソーシャルゲームの受託開発を行うベンチャー企業に入社。その後フリーランスエンジニアとして様々なベンチャー企業・スタートアップでプロダクト開発に従事してきました。
その後2020年11月からiCAREの業務委託パートナーとしてジョイン。2022年1月からは正社員として入社し、この度VPoE就任となりました。

工藤 
以前シード期のスタートアップでCTOをしていたときに「IVS CTO Night & Day 2018 Winter powered by AWS」というイベントで石野さん(現COO、当時CTO)に出会いました。しばらくしてTwitterから連絡がきて、誘ってもらったのがきっかけです。

ちょうど自分も、フリーランスとして受ける予定だったプロジェクトが白紙になったタイミングだったので、「良かったらお手伝いします」という感じで業務委託パートナーとしてスタートしました。

0→1のプロダクト開発の経験が長い工藤は約1年間、プロダクトの改修や機能改善、新規開発に携わりながら、社内のメンバーとも信頼関係を築きます。その結果、正社員になる際には、新機能開発プロジェクトのリーダーを任されることが決まっていました。

次に、Development部部長・岩崎登について紹介します。

もともと岩崎はデザイナーやカメラマンを仕事にしており、最初の技術との接点は、趣味としてプログラミングとオープンソースソフトウェアのコミュニティ活動を行っていたことでした。ですが、デザイン系の部署でマネジメントを行う中で体を壊し、休養を経て復帰するときに今度は技術側の仕事をすることを決意。

ストレージ製品開発を行うエンジニアとして新たなキャリアを築き始めました。その後ソーシャルゲームのインフラ構築・運用を行っていたとき、iCAREジョイン前の石野と出会い、一緒に仕事をすることになります。

岩崎 
自分が体を壊したこともあり、健康管理事業に携わりたいという想いはありました。石野さんがiCAREに入ったときから話を聞いていて、いつかは行きたいと思っている中で、去年声をかけてもらって「行きます」と。即答でした。

前職は分析会社で、アナリストチームの部長をしていたのですが「昔から行きたいと思っていた会社からオファーがあったので行きます」とその時に所属していた会社の社長に話を通して、iCAREに来ました。

岩崎はマネージャー経験が豊富であり、iCAREでは当初、SREチームのエンジニアリングマネージャーを務めます。さらに会社の技術面を全体的に見るべく、2022年6月からDevelopment部の部長に就任しました。

今のiCAREに必要な「大きくなる準備」

iCAREには組織面での課題が立ちはだかっています。現在100名後半の規模で、少数精鋭のスタートアップから、組織化・仕組み化が必要な会社へと進化しようとしているフェーズ。岩崎は今の当社を「一番難しい、境目の段階」と表現します。

岩崎 
小規模時代の管理体制のまま規模が大きくなった結果、組織として耐えられなくなるという現象は急成長するスタートアップあるあるだと思っています。それを避けるために、会社として「大きくなる準備」をしなければならない段階に来ていると思います。

「大きくなる準備」とは、会社の仕組み面の整備だけではありません。マネジメント面だけでなく、働く人が持つマインドも変わってきます。小さなスタートアップと大企業では従業員のコミュニケーション方法も違えば、モチベーションや勤務にあたる際の精神状態も違ってきます。

人数が増えればチームや部署も増えていき、それに伴ってコミュニケーションが取りにくくなる部分は大きいでしょう。それぞれの部署にはどんな人が働いていて、どのような仕事を行っているのか見えづらくなると、組織と組織の間に情報が落ちてしまったり、他部署との摩擦や軋轢など、感情的な問題が生じたりしやすくなります。当社の現状の課題は、いち早くそれを切り替え順応していくことです。

Development部は現在社員・パートナー合わせて40人ほどの組織。それもこの1年で倍近い規模へと拡大しています。少人数だったころは1つのプロダクトに全員で取り組む形で十分効率的でした。

しかし数十名規模となると、機動力と業務効率、コミュニケーション効率を担保するための役割分担が非常に重要となりました。そこで当社でも最近は、プロジェクトチームごとの業務推進やマネジメントができる体制を整え、実行し始めたところ。「今後プロジェクトが増えても対応できる体制」に切り替えています。

VPoE登用の決め手は「現場からも経営陣からも厚い信頼を得ていた」こと

当社としてVPoE採用は優先課題として3ヶ月以上にわたり行ってきました。当初は外部から採用することを想定していましたが、「当社のエンジニアメンバーに寄り添って考えることができ、現場に受け入れられる人」と考えると、社内から出すのがいいのではないか?そんな想いから、内部から登用するという結論に至ったのです。

採用要件としてVPoEに求めていたのは、エンジニアリング部分の裏づけがしっかりしていて、エンジニアメンバーの目標になるような人。あるいは、困ったことがあっても「この人がいるなら大丈夫だ」という安心感を現場に与えられるような人。この2点において、工藤がマッチしたと岩崎は言います。

岩崎 
工藤さんは最初はパートナーでしたが、1年以上にわたりメンバーと一緒に仕事してきたので現場のことをよく理解しています。個人的なアウトプットを見ても工藤さんは安定感のある仕事をされていて、当時のマネージャー陣からも信頼が厚かった。今回の登用についても、現場の納得感は高かったと思っています。

VPoEの打診を受けたときの気持ちを工藤はこう語ります。

工藤 
「まさか自分が」と思う部分もありましたが、一方で、VPoEのポジションはしばらく空席のままでしたし、今の開発組織の状況を見る中でチャレンジしてみたいという想いが実は芽生えていたので、「来たか」という気持ちもありました。

工藤はこれまで初期のスタートアップ、少人数のプロジェクトチームへの参画を中心としたキャリア形成をしてきたため、この規模の開発組織づくりを実際に行った経験はほとんどありません。そんな中でなぜ「VPoEにチャレンジしてみたい」と考えたのでしょうか。

工藤 
実は入社した動機の1つが、自分が経験したことのない育成やチームづくりという領域にチャレンジしてみたいということだったんです。自分はフリーランス経験が長く、1人で仕事していく中で、次のキャリアについて悩むところがありました。

いろいろと考える中で行き着いたのが「モノづくりができる人を育てていきたい」ということです。社員化の打診をいただいたとき、会社としても若手教育をしっかりやっていきたいと考えていると聞き、自分のやりたいこととマッチすると感じました。だからVPoEもできるならチャレンジしたいと思ったんです。

工藤は長年の経験から一(いち)エンジニアとして機能開発や改修などの「できること」を提供することだけでなく、「自分がチャレンジしたいこと」の経験を得ることも、当社で実現しているのです。

会社としてもVPoEを置くことにより、開発組織全体のバランスが取れます。さらにDevelopment部長の岩崎にとっても業務がしやすくなったようです。

岩崎 
部長職は、マネージャーとして現場に寄り添えるところと、管理上そうはいかないところがあります。1人ではそこが分けられないのでやりにくい部分があったのですが、今後はVPoEと部長で役割分担できるようになるので本当にやりやすくなりました。

部長は組織の仕組み、働き方、コスト面の管理を行い、VPoEは「Carely(ケアリィ)」というプロダクトの価値を向上し、さらに広く提供していくためのエンジニアリングからデリバリーまでを見ていく。「守り」と「攻め」ともいえる役割をしっかり分けることで盤石の組織体制をつくることが可能となります。

親族や自身の経験から感じていた「働くひとの健康課題」とその解決への想い

新VPoEの工藤に、開発組織の今後について考えていることを聞きました。

工藤 
自分はiCAREの「働くひとの健康を世界中に創る」というパーパスをすごく自分事に思っています。

父が飲食業界で働いていたのですが、過労が原因で10数年前に脳梗塞で倒れ、幸い一命は取り留めたものの重度の後遺症が残りました。自分自身も過去に働きすぎて心を病んで休職したことがあります。そんな経験から「働くひとの健康課題」は感じていて、そこに向き合っていきたい思いがありました。

だから今、自分がこの立場を務めさせてもらうにあたり「iCAREで働くエンジニアの健康を創る」ことをまず実現したいと考えています。それは、ただ自由に働けるだけではなく、たとえば自分が開発したものがリードタイム短くデリバリーされる環境づくり、開発したものがしっかりお客様の価値につながったことがわかる仕組みづくりなどです。

働きやすさ、働きがい、スキルアップのそれぞれを実現するためにできることはまだたくさんあると工藤は考えています。これらの取り組みを通じて、iCAREでエンジニアとして働くことに誇りを持ってもらえる環境をつくり、会社としての持続的な事業成長につなげられる開発組織を構築することを見据えています。

これは部長の岩崎も同様です。

岩崎 
エンジニアを大事にしなければ、会社として技術の向上、プロダクトの価値向上は見込めない。だから私たちは特に、エンジニアを大事にする意識が強いと思います。

主体的に開発ができ、個々のエンジニアとしても社会人としても自立した人材を育てたいと思います。それを工藤さんがリードして、私が下から支えるという連携をとるのが理想です。

また今後、会社として1つのターニングポイントになるであろうIPO。その成功のためにも、体制構築や仕組み化は必須であることは間違いありません。
さらに岩崎は、他社から見たメンバーへの評価も信頼につながってくると考えています。「iCAREで働いている人は総じてしっかりしている」。この信頼感がサービス自体の信頼感にもつながるからこそ、エンジニアの育成や労働環境を大事に整えていこうとしているのです。

工藤 
理想は大きいですが、まずは今目の前にいるメンバー1人1人とよくコミュニケーションを取ることを大事にしています。

今いるエンジニアの中には、ずっとiCAREにいる人だけでなく、将来いろいろな場所で活躍していく人もいると思います。その時に、「iCAREで働いてよかった」と思ってもらえるような環境を整えていきたいです。

現状の組織課題を認識し、そこにしっかりと向き合うことで社会的な価値を増やし続ける。新VPoEの就任は、そんな当社の開発組織のさらなる成長をドライブする機会になると期待されます。

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