なぜ、iCAREは15億円の資金調達をしたのか。
※この記事は2020年12月9日に投稿されたものです
CEOの山田です。
iCAREは本日、総額15億円の資金調達を発表致しました。
2019年6月のシリーズCから、約1年半での資金調達となります。正直まだキャッシュもあったし、クライアント数も伸びていたのであと半年〜1年くらいはタイミングをずらして、企業価値を高めてから資金調達をしても良かったわけです。
前回調達時のブログ内容もこちら。
でも、そうはしませんでした。その理由は2つあります。
1.私のiCARE CEOとしての強い想いの高まり
2.コロナクライシスで気づいた踏み込むタイミング
1.私のiCARE CEOとしての強い想い
iCAREのCEOとしての役割、使命はたった1つ。
お客様、従業員のみんな、株主の皆様への約束を果たすこと。その先に、社会との約束を果たすこと。これに尽き、1つでも欠けた状態であってはなりません。
その前提がある上で、iCARE CEOは本当に約束を果たしているのか。シリーズCでの調達から6ヶ月ほど経過した時期から、こう想い始めるようになりました。
今回の資金調達は、この約束を果たすことを改めて決意するために実施しました。
その決意を4つの観点から説明します。
・お客様との約束を果たしているのか
・従業員のみんなとの約束を果たしているのか
・株主の皆様への約束を果たしているのか
・社会との約束を果たしているのか
お客様との約束を果たしているのか
・カンパニーケアで困っているお客様へ最高に素晴らしいサービスを提供しているか
・これまでリーチ出来なかったお客様にもサービスを届けているか
お客様との約束を果たすという意味では、Carelyの活用率が高く、それが維持出来ているのはカスタマーサクセスチーム、開発チームの尽力です。
しかし、カンパニーケアでのサクセスを願うものの、まだ不十分な機能や知ってもらえていないことで価値が半減しているものも多くあります。
今回の調達は、現お客様への開発や運用サポートをより強化し、まだ見ぬ困っているお客様へ価値を伝えるというものへ投資致します。
結果的に、お客様の約束をこれまで以上に果たすことが出来るようになります。
従業員のみんなとの約束を果たしているのか
・挑戦する機会があり、iCAREとしてその機会を提供出来ているのか
・事業成長とともに給与水準や待遇を良くしていくことが出来ているのか
iCAREという船に乗っている仲間は、本当にバックグラウンドが様々です。他企業であればもっと良い給与を提示された方も、iCAREを選んで入社してくれています。
その理由は、みんなで創り上げたiCAREの社風がいいからと言い切れるのですが、同じくらい大切なのは、事業成長の中で仲間たちが成長できているからだと思っています。
成長は、挑戦と失敗と感謝で作られ、その機会を渡し続けるのが私の役割です。
徐々に給与水準も上げることが出来て嬉しい反面、この事業成長スピードに追いつけなくて辞める仲間もいることは事実です。
今回の資金調達でより事業成長を遂げることで、挑戦できる機会と場を創り、従業員との約束を果たすことがこれまで以上に出来ると信じています。
株主の皆様への約束を果たしているのか
・iCAREの可能性を信じて資金面で支援してくれた株主に恩返しが出来るのか
・iCAREに出資してワクワクしたり、最高だったと投資家に言わせているか
私の中では、常に株主の皆さんの気持ちと一緒だと思っていますし、本当にTEAMの一員だと思っています。彼らなしにはこれまでの事業成長はありませんでした。
彼らとの約束を果たすために上場というマイルストーンを今後達成していきますし、その際のインパクトをどのくらい大きく出来るのかは重要な課題です。
今回の資金調達では、既存株主が追加出資だけで半分弱を支えてくださいまして、iCAREを応援してくれていることに他なりません。感謝です。
また新たな株主にJICベンチャー・グロース・インベストメンツ様と、Salesforce Ventures様を迎えられて、本当に嬉しい思いです。
今後社会を変革させていく決意を決めた中で、政策を含めて国との関係をより強固にしていきたいという気持ちの中で、TEAM入りをして頂いたJICベンチャー・グロース・インベストメンツ様。
2年前からCarelyのユーザーであるとともに、今後の事業においてStrategic Partnerとしてご一緒したいと言ってくださって、TEAM入りして頂いたSalesforce様。
今回の資金調達で事業成長のスピードをさらに上げることで、株主の皆様への約束をしっかりと果たすことが出来ると信じています。
社会との約束を果たしているのか
・iCAREは掲げているVISIONとMISSIONの世界に近づいているのか
・上場という1つのマイルストーン時においてナンバーワンになっているのか
VISION「働くひとと組織の健康を創る」とMISSION「カンパニーケアの常識を変える」の先に、病院に行かないことが評価される世界を創りたいという強い想いがあります。
健康領域における社会の「不」をテクノロジーの力を使って解消していくことで、その世界はようやく創り出せると思っています。
これまでのカンパニーケアでは、属人性・アナログ性・煩雑性が大きな「不」でした。これらの課題を、
人事が選ぶNo.1健康管理システムCarely | 健康管理システムCarely(ケアリィ)
というサービスで解消できる可能性をこの1年で私は感じ、さらに
Carely Place | 健康管理システムCarely(ケアリィ)
という9月に出した新サービスで、いよいよこの業界にあった問題は解決されると信じています。
カンパニーケア業界でナンバーワンになること、そしてその先にある予防医療のインフラになることで、社会との約束が果たせると信じています。
ここまでが、資金調達するにあたってのCEOとしての私の強い想いです。もっと事業成長したい、事業成長させなければiCAREの存在意義がないと。
そんな想いをより加速させた出来事が、これからお話するコロナクライシスでした。
2.コロナクライシスで気づいた、踏み込むタイミング
2020年に入ってから、今後のiCAREの事業成長について経営陣で話をし、とてもモヤモヤしていたことを覚えています。iCAREは本当に順調に成長しているのか?
そんなモヤモヤの中、3月からコロナが本格化したことがきっかけで、財務担当へ今後の資金面でのRunwayを指示し、1年〜1年半の間で財務基盤を安定させる計画を設計し始めました。常にワーストケースを考えて計画どおり動いたこともあり、地に足が着いた2020年の上半期だったと振り返っています。
2020年4月に作成したRunway Matrix
幸運なことに、健康管理システムCarelyはコロナ禍においても、在宅勤務やペーパーレスへの動きから問い合わせは増えていました。しかしながら、コロナの影響を甚大に受けたスタートアップも多くあり、他人事ではないと考えるようになりました。
こんな状況下では、受身なマインドになりがちです。私も一時期、どう生き残るのかといったことばかり考えていたと思います。ただ私達のサービスがお客様から支持されることが多くなればなるほど、この考え方が確信に変わっていくのです。
クライシスの中で、「攻めること自体が生き残る施策」になるのだと。
その当時に読んでいた記事を1つ紹介します。
クライシス下においても、プロダクトの磨き込みをしているサービスこそが成功し、カスタマーサクセスによって素晴らしいものが生き残る。これは今踏み込むべきだと決意した次第です。
以上が、今回の資金調達の背景です。
6月から様々な投資家の皆様とお話し、とてもいい機会を頂きました。資金調達するたびに、自分たちの未熟さに気付かされます。 これらの機会を事業成長に変えて、これからも大海原に向かって仲間とともに挑戦し続けます。
iCAREは、採用しています。
最後に、iCAREの社風だけ簡単に共有します。
・CREDOとVALUEを何より愛する組織です
・決してキラキラしたスタートアップではなく、これからもそうなりません
・ヘルスケアに興味ない方が成功するかもしれません(笑)
最近では採用に来られる方から「iCAREは事業成長出来るのか?」といった質問を受けることがあります。失礼を承知の上で明確に言いますね。
「iCAREが事業成長するかは、あなた次第。あなたの手で、iCAREを成長させて下さい。」です。
一言で言えば、自ら機会を創り、機会によって自らを成長させるメンバーこそ、iCAREで求められているひとです。iCAREは、ひとつもふたつも視座の高いメンバーと一緒に働きたいと思っていますし、そのような素晴らしい方とお会いできることを楽しみにしています。
株式会社iCARE
代表取締役CEO
山田 洋太