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iCAREのエンプロイージャーニーを価値あるものに。チーム全員で創り上げた採用体験とは【MVPインタビュー】

iCAREでは、半期に一度の全社キックオフ・表彰イベントを行っています。FY23下期(iCAREは8月始まり)はコーポレート部門で初選出となる、People Experience部 採用チーム マネージャーの溝呂木愛さんがMVPを受賞しました。そんな溝呂木さんは上期でも「誇り」賞*を受賞。それぞれの受賞コメントで印象に残っている言葉とともに、iCAREでの採用活動を振り返ってもらいました。

*Credoのひとつ「家族(周囲)に誇れるか」を最も体現し社内に影響を与えている人に贈られる賞。そのほか「フタ」「愛」賞などがある。

溝呂木 愛(Ai Mizoroki)
People Experience部(人事総務部) 採用チーム マネージャー

複数のIT/Web系企業で法人営業やカスタマーサクセスなどのビジネス職を経験した後、2020年より人事にキャリアチェンジ。ビジネス職からエンジニア職まで、IPO前後の採用戦略を牽引したのち、2021年6月にiCAREへ入社。1人目の採用人事として組織拡大から事業成長を支える。2022年2月に採用チームのリーダー、2023年2月より現職。直近は人事企画も担当。


1人目の採用人事として入社。1年目のミッションは採用面から組織を大きくすること

呉: 
早速ですが、今年2月の下期キックオフでも、弊社のCredoにちなんで「誇り」賞を受賞されましたね。「既にある勝ち馬に乗るのではなく、自分の力でiCAREを勝ち馬にするんだ」と話していたのが印象的でした。

溝呂木:
そうですね。これまでの採用活動や人事としての苦悩が重なっていた時期だったんですが、私にとってあの場面は覚悟が決まった瞬間だったと思います。

私は2021年の6月に1人目の採用担当として入社しました。人事は既にいたのですが、採用人事の役割をメインで担う方はいませんでした。その当時、SaaS市場が爆発的に伸びていくに合わせて資金調達と採用を繰り返しながら事業と組織の規模を大きくしていくのがトレンドであり、iCAREも同様に事業成長に欠かせない人員を大規模に採用することが優先でした。

目標にコミットしながら最初の半年程で採用を軌道に乗せていくことはできていたんですが、自分の中で「これでいいのか?」という思いをずっと抱いていました。オファーを多く出す一方で辞退も多い。入社後の短期離職も多く、バケツの穴が開いたような採用活動を続けていることに問題意識を感じていました。当時は「これは急拡大する組織で必然に起こることで、トレードオフなんだ」と自分に言い聞かせていたのは事実です。

同時に、採用チームのメンバーが増えて個ではなくチームで動くようにもなりました。役割を分担し効率よく回すことに加え、そろそろ行き当たりばったりの採用活動ではなく、次のステージへ向けて再現性のある採用活動をしていかなければいけないなと考えていました。

iCARE全社の人事と組織を考えた、短期離職の解消

呉:
バケツの穴が開いた状態を解消するために、どんな採用課題に取り組むことになったのでしょうか。

溝呂木:
群を抜いて課題意識が高かったのが6ヶ月以内の離職率の改善です。過去のデータから離職パターンが3つ程度に分類できたのですが、8割が採用時点でのミスマッチによるものでした。選考中に確認しておけば起きなかったというポイントが圧倒的に多かったんです。また、課題をありのままに伝えるよりもキラキラした表面的な良い部分を広報するケースが多かったため、期待値が双方に上振れしてしまい、入社後に「あれ?」となってしまうことが起きてしまっていました。その期待値のズレを一番最初に解消しなくてはと考え、施策に落としていきました。

面接の内容や選考基準を人事が現場に任せているため、一貫性が無く「何となく良さそう」で進むケースもありました。人事として反省すべきところで、このタイミングから面接同席や人事面接をフローに組み込むように変更しました。

呉:
具体的にはどんな施策を立てたんですか。

溝呂木:
施策としてはワークサンプル、人事面接、リファレンスチェック、オファーブックと4つだけでとてもシンプルです。これまでの採用では、事業部の上位層の中だけで採用を決めていくことが多かったんですが、一緒に働くメンバーは自分で判断する文化を作っていく方針にしたく、そちらにシフトをしていったのが大きいですね。

特にワークサンプルでは、配属予定のチームメンバーも数名交え、一つの題材に対してディスカッションを行います。このチームで仕事をしていく上で、双方が雰囲気を見合うことができるのがメリットです。1年運用してみて、お題一つをどう出すかでもそれぞれのチームの色が出るので、運営している側としても面白いなと思っています。

やり始めは反対意見も当然ありましたし、社内を巻き込みながら皆さんへインストールしていくのも大変でした。やると意気込んだものの結果が出なかった場合の不安も当初はありましたが、こうして1年取り組んできて、結果もきちんと出たのでホッとしました。

呉:
課題を捉え施策を決め、そして結果が出た。それでMVPの受賞に至ったわけですね。

とにかく凡事徹底、そしてチームへのノウハウ移管が結果に繋がった

呉:
先期はマネージャーとして立場を変えてのスタートでもありましたね。意識が変わったことはありますか。

溝呂木:
マネージャーになった最初の1on1で、上司から「今までは壁打ちをしながら最後の結論を出すところも手伝ってきたけど、これからはしない。戦略も方針も自分で全部決めてほしい。それが合っているかどうかはやってみないと分からないから、まず”やってみる”ことに関しては任せる」と言われました。これまでのスタンスとあまり変わってはいないのですが、自分で決めてやりぬく・責任を持つという意識がより一層強くなりました。

実はマネージャーになる前の期間、自分自身がどこで価値を発揮すべきか、悩む時期がありました。というのも、個からチームになり、2年ほどフロントでオペレーションを回していたのが手離れしたので、一気にやることが無くなったんです。急成長していくメンバーたち2人に任せられることも増え、「自分は何も成長できていない、何も残っていない」と。自分としてもそこに価値を見出していたので、正直少しショックでした。

さらに、その頃はヘビーな退職が重なっていて、100名を超えてきたからこその組織課題も顕在化してきた時期でした。私が置かれている環境も短期間で目まぐるしく変わったのもあるんですが、不安と絶望の渦中で着任した新しい上司は人事経験がない。今でこそ笑えますが、「やべーなー、何とかするしかないけどさー(笑)」を家で毎日言っていた記憶があります(笑)

不思議ですが、逆に踏ん切りがつきました。自分がバリューを出すために何をすべきかを考え、「チームでの再現性」こそ今やるべきことだ、と。

呉:
そういう苦悩があったんですね。「チームでの再現性」のためにどんなことに取り組みましたか。

溝呂木:
2.5人で50人〜100人という採用計画を回していくための体制づくりです。採用活動自体の効率の悪さにはずっと頭を抱えていたのもあります。応諾率アップのためには、「アトラクト(のための機会づくりやコミュニケーション)」が重視されますが、そもそも「当たり前」と言われるオペレーションはどうなのか?と振り返った時に、まずその段階にも課題がありました。

超基本的なルールですが、「1営業日以内に必ず一次返信でもいいから書類選考のレスを返す」などのルールを徹底し、可能なところは自動化する。地味ですが、凡事徹底が出来ていなければ結果も生まれないと思っています。

チームで活動し、課題に立ち向かっていくからこそ、チームとしての成果や手応えを感じることが段々と増えてきました。ちょうどそれらが感じられた頃に上期の「誇り」賞をいただいたので、「再現性がある採用・チーム作りができてきた」という成果が表彰に繋がったんだと思います。だからこそ、次は目の前の採用成功だけを追いかけるのではなく、マネージャーとして人事課題全般に取り組むことの決意として、「既にある勝ち馬に乗るのではなく、自分の力でiCAREを勝ち馬にするんだ」という発言をしました。

左:CPOの中野

一人の「ひと」の入社後〜活躍までのエンプロイージャーニーに、採用担当が責任をもつ重要さ

溝呂木:
ここまでお話ししたのは入社前までの取り組みです。もう一つ大事なポイントは入社後です。以前、「入社まではとても丁寧だったのに、入社をしたら放置なのはどうなんですか」というフィードバックをいただきました。配属部署側もお手並み拝見感が強いケースも多く、「これは何とかしないと」と思い、選考の改善と同時並行でオンボーディング施策も走らせました。これまでもできる範囲ではやってきたんですが、改めてちゃんとプログラム化させることを目的に改善をしていきましたね。

少し話が逸れますが、人事部門は公にできない業務が多く、それ故に「何をしてるのか分からない」と思われることがあります。自分の個人的な ポリシーとして、成果が出る前に「こんなことやってます」と言いたくないのもあったので、こうして人事の仕事を知ってもらえるのはちょっと嬉しいですね(笑)

呉:
確かにそうですね。発表を楽しみにされるようなトピックでもないですしね。そして、あまり褒められることもない部門です。耳の痛いことを社員から直接聞かなきゃいけないし、一方で求職者にも魅力を語り続ける必要がある。覚悟がいるポジションだと思います。

溝呂木:
私自身が過去の転職の中で、「自分が適任ではなかった」と感じた経験があります。経験とスキルだけではなく組織のフェーズなどいろいろな角度から見た時に、確かにその状況は起こり得ると人事になってより痛感している点です。よく大企業orスタートアップという話はありますが、スタートアップの中でもシード期の5人とシリーズEの150人では全く違い、どんなに能力のある方でもフェーズや組織状態によってパフォーマンスは異なります。総合的に見てマッチしていない方を採用してしまうことは、企業側に責任があります。入社後の活躍支援まで含めた選考設計をする、そういう意識で臨んでいます。

呉:
MVPの受賞時のコメントで、退職者の今後のキャリアへの影響について話していましたね。人生を揺るがすような短期離職は起きてはいけない、と。

溝呂木:
企業側が「ミスマッチでしたね、ごめんね」で済む問題ではないんですよね。どんなに良い方であっても、 短期離職が起きてしまうと次のキャリアを選ぶ際に必ず影響が出ます。iCAREでも過去に同じケースを生んでしまっていたので申し訳ない気持ちしかないです。

今はエンプロイージャーニーを意識して、採用と労務の連携、その後の人事企画までを一気通貫でやれるような体制になってきました。同じくFY23下期で特別賞を受賞したチームメンバーが、良い役割を担ってくれています。

私は、組織を作る原点は採用だと思っています。採用が上手くいけば組織は伸びます。その逆で、採用が上手くいかなければどんなに良いサービスも日の目を見ず終わっていくことだってあります。人は資本と言いますが、iCAREという会社にきてより意識することが増えました。 

まだまだ採用の部分で改善すべき点はありますが、今後は採用で得た経験を組織開発や人事企画に活かしていきたいと思っています。チームメンバーにもiCAREで採用に関わる楽しさをもっと体感してもらいたいですし、iCAREに入ってくれる皆さんが「得られるものが沢山ある」と感じてもらえるような組織にしたいですね。

呉:
改めてMVP受賞、おめでとうございます! MVP以上に、チームメンバーの受賞に涙していたのも印象的で、今日のインタビューで出てきた“チーム”での取り組みの表れだと思います。ありがとうございました。

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取材・執筆:呉

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