良いと言われているファイナンス/資本政策の本を読んでみました
※この記事は2019年12月18日に投稿されたものです
iCARE財務経理担当の小松です。
iCAREには2019年7月に入社したのですが、事業会社の財務経理で働くのは初めてです。
これまでは銀行員として投資信託を売ってみたり、監査法人で会計監査をしたりしていました。
働く中で分からないことの代表格の一つがファイナンス/資本政策周りです。
今まで投資契約書や株主間契約書なんて読んだことなんてなかったですし、SOを設計するとかvaluationなんてものとは直接的な接点が無かったです(やはり監査法人でFAS部門等に1年くらい行くのはいいのかもしれませんね。。。当時の僕は時間の無駄と思って選択肢にも入れなかったのですが。。。)。
ということで、入社前から入社直後くらいまでに入門書的な書籍を読んでみましたので、超簡単にですがご紹介です。
まずはこれです。
スタートアップの財務や経営企画周りの人は皆読んでいるものと思っています。
あまりに有名なのではないでしょうか。
もはや解説不要くらいに思いますが、僕も読んだぞ、ということで記載します。
企業価値とは?資本政策とは?投資契約とは?優先株式とは?という一丁目一番地的なことを具体的な例を交えて教えてくれます。
有難い。
もはや財務経理や経営企画でなくても一読すべきなのではと思います。
続いてこちら。
企業のファイナンスに比べると結構踏み込んだ内容だと思います。
「企業のファイナンス」と同じく磯崎先生の書籍になります。
企業のファイナンスはかなり平易な文章での解説で終始するのですが、こちらはグッと実務に寄る印象を受けます。
定款や投資契約書などの雛形の解説があったりします。
後半の方はスピンオフやMBO、dual classなど実際に実務で触れる人は稀なのでは?という論点も登場します。
後半の論点はさておき、投資契約書はエクイティで調達しているスタートアップであれば絶対に存在する書類なのに細かいことは誰も教えてくれなくない?と思っているので、やはり一読すべき、ということになるのではと思います。
続いてこちら。
これも優しく手取り足取りといった感じ
タイトルのまんまですね。
ファイナンスの小難しい理論を細かく書いている本は山ほどあるので、現場で働く人にとっては現場で役に立つ本というのが結局一番貴重だと思います。
ベンチャーの企業価値評価って何か違うの?
赤字の時の企業価値評価はどうするの??
といったSaaS系スタートアップにとって有難い項目があって嬉しかったです。
最近はSaaSに関する日本語サイトも比較的充実してきている感はあると思いますが、まだまだこういった書籍は有難いですね。
はい、次です。
実例だらけ
資本政策を考えるって難し過ぎませんか?
直近だと年間約100社が上場しているわけなので、サンプル(実例)はたくさんありますが、じゃあどうやって読み解くねん、ということを解消してくれます。
資本政策に関してはnote等で凄まじい分析をしている方がいらっしゃったりするので、そちらも合わせて読むのが良いのではと思います。
更にvaluationなどの本と一緒に実例を見るのが一番です。
最後はこちら。
iCAREはIPOを目指しています。
50個もポイントがあるなんて。。。という感じですが、50個もポイントがあれば何かしら刺さることがあるのでは。
分厚さ的には200ページくらいなので、パラパラめくって気になるところだけ見ても十分発見があるのではと思います。
J-KISSの解説が入ってきたりなど、アドバイスで終わらずにちゃんと知識の蓄積ができるのも嬉しいです。
以上、僕が読んでみた入門書達です。
なんやかんや入門書は有難いです。
複数読むことで見えてくることが多いです。
最低限の知識が無いと業務が回らないですし、投資家の方や他社の財務経理や経営企画の担当者と話すときに共通言語が無いのは辛いです。
特に監査法人出身の財務経理担当って(あくまでも傾向だとは思ってますし、何より僕の勝手なイメージですが)投資銀行や証券会社出身の方より、この辺り弱くなりがちなのでは?と思っています。
とはいえ、監査法人出身でDCFや優先株式を知らないという人は絶対いないですし、本を読めば誰だって内容を理解できるはずです。
せっかく基本的な知識は一通り持っているので、伸ばさないと勿体無さ過ぎると思ってガンガン伸ばしている最中です。
今回は界隈の方だと誰しも読んでいる本の紹介になってしまったと思っているので、今度はマニアックな本なんかの紹介ができればと思っています。
iCAREでは現在、財務経理/経営企画の募集は全くしていないですが、今後そう遠くない将来に募集予定です。
ひとまず今はエンジニアさんを絶賛募集中です。
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