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iCAREは創業10周年を迎えました。

※この記事は2021年6月14日に投稿されたものです

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株式会社iCAREの山田です。

2021年6月14日をもってiCAREは10周年を迎えます。2011年に創業して10年が経ち、大きく変わったこと、変わっていないことがあります。本当に不思議なもので、2015年当時に書いた「山田のスライドナプキン」通りに事業が進んでいます。iCAREの創業理由を話しながらこの10年を振り返ってみましょう。

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10年前に私は、慶應ビジネススクールで医療政策・介護政策を学んでいました。持続的な医療を提供するためには、何が必要なのかを学んでいました。同時期に総合内科が専門ではありましたが、心療内科を学ぶためにクリニックで働く世代のうつ病や睡眠障害を診察し、多くの復職支援を臨床の立場でサポートしました。

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当時の私の疑問は、「なぜこんなにも多くの働く世代が不健康になるのだろう。働くということは人生において大きな時間を占める。やりがい持って働けないのはなぜだろう」でした。

そこから初めて産業医という専門性を知り、2014年に産業医の資格をとって、師匠である浜口先生の下で体系的にこの業界の知識を学びました。その間に、大学院を卒業し、潰れた病院の再建に挑戦し、1000人を超える従業員のための病院黒字化をミッションとして経営企画室室長として挑戦しました。


これらの体験は私に大きく影響し、社会的課題の解決策が点と点が繋がっていきました。持続可能な社会をつくろうとしても日本の医療制度は限界を迎えているのです。人口ピラミッドが大前提にあって、共助という仕組みを活用した医療のあり方は、ワイングラス型の人口構造になって加速的にその制度の問題が浮かび上がっています。そのような危機的な状況の中で、私たちは何をして、私たちの子どもや孫の世代に健康を残せるのでしょうか。ひとつの答えとして、もっと上流で予防医療をビジネスで展開していくことこそ世界中のひと、子どもや孫の世代にまで持続可能な健康づくりができるのだと考えたのです。


とは言え予防医療の難しさは、「ラーメン大好きな人にラーメンを食べさせないこと」なのです。痛みのない健康障害を解消することは極めて困難でありますが、法人の労務リスクという観点で捉え直すとこれまでリーチの出来なかった人の健康が創れるのです。社会通念上の観点から働けないぐらいの健康の悪い従業員に対して労働契約履行リスクということで医療機関を受診させ、健康を創っているのです。

しかし、私たちが最終的に目指している世界は、もっと高度なものです。努力して健康が創れる世界から怠けても健康が創れる世界をつくりたいと思っています。まだまだ長い道のりですが、この大きな大きな挑戦が出来て健康づくりは完了するのだと思います。

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iCAREはこの10年で大きく変わりました。2015年までは幽霊会社くらいに覇気がなく、勢いもなく、本当に悲惨な会社だったと思います。私自身の覚悟のなさ、未熟さがその原因です。ところが現社外取締役の和田さん(インキュベイトファンド)が1億円の出資をすることから変わっていくのです。プロダクト・サービスを創り、その価値を伝えていくことをやっと本気になれたのです。それまで暗かった雰囲気も仲間が増えることで徐々に解消され、iCAREらしさと呼べる社風もCREDOを中心につくられました。

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当時掲げていた「従業員の健康管理をしましょう」というB to B to Cモデルは、意識高い系の中小企業は導入してくれますが、なかなか事業成長が出来ませんでした。今から約4年前にB to Bモデルへ変えて、複雑で煩雑な健康管理業務をラクにすると訴求し始め、一気に現行のモデルが生まれていったのです。その後、2017年に元CTO石野が入ることで組織的な成熟とプロダクトの進化が大きく変わっていきます。それまで外注していたプロダクトが内製になることでスピード・クオリティ・領域すべてが一気に広がっていきます。いよいよ大企業へ挑戦できるようになっていきました。

この2年で、情報通信産業の名だたる企業が弊社導入を決定し、徐々に小売業や製造業と業種を問わず導入を頂きました。それまで分厚いマニュアルを見ながら使っていたシステムの当たり前が、カスタマーサクセス部門のサポートのもと、使いやすさNO.1と言われるまでに進化しました。それも産業医や産業看護職の皆様と常時つながって機能要望が出来たからです。iCAREは、開発部門・デザイナー、営業、カスタマーサクセス部門と多くの部門がユーザーヒアリングを大事にしていますし、これからも声に耳を傾けていくことは変わりません。

直近1年で言えば、健診予約システムがつくられたことで弊社内においても80%以上の業務効率が達成できました。問い合わせが激減、調整が不要になる最高のシステムをビジネスサイドと開発サイドが同じゴールを目指しながらつくったこのシステムは、今も多くの問い合わせをもらうものとなりました。

産業医や産業看護職の皆様とも仲良くさせてもらいました。大神先生や加部先生といった日本の産業医学の重鎮にも顧問になって頂きご指導を頂いています。また、ウェビナーや学会を中心に一緒に「働くひとの健康を創る」ゴールに向かっていけたと思っています。繋がった専門家の4-11%がユーザー会だけでなく、様々な毎月のイベントでご一緒しました。

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この10年は本当に言い尽くせないほど大きな転換点をいくつか迎えましたが、それは多くの仲間と議論してクライアントの課題を解決したい、その先にある社会を変えていけるという強い気持ちと行動があったからだと思っています。これからも大きな転換点は幾度となくぶつかります。その大きな壁をこの仲間とご一緒してくれている様々な応援者で乗り越えられると信じています。

これからの世界は、もっとデータで議論されないといけません。感覚で意思決定をする時代では有りません。人事施策や健康施策を含む事業の意思決定や労働安全に関する政策もです。いずれ私達がやっている健康管理データがこれらにもっと活かされて、世の中の健康づくりに寄与できることを実現していきます。

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次の10年、いや激動の1年のiCAREを、引き続き温かいご支援お願いします。


*1:2015年に描いていたビジネスモデル:スライドナプキン

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