マーケターが生産性を伸ばすなら、エンジニア文化を身に付けるといいよ
※この記事は2019年3月30日に投稿されたものです
おはようございます、iCAREでは類を呼ばないほどのカープファンのたけCです。
ついに、やっと、ようやく、プロ野球19年シーズンが開幕しましたね。我が広島東洋カープは開幕戦を見事勝利で収めました。まずはセリーグ4連覇、そして悲願の日本一に向けて邁進してまいりますので、応援のほどよろしく、よろしくお願いいたします。
ちなみに、iCAREのセールスチームにも野球好きメンバーがおり、先日の日記でも野球ネタが取り上げられておりました。
で、今日の本題はチームの生産性。
独りよがりで秘密主義になりがちがマーケターが、生産性の高い仕事を実現するにはどうしたらいいか?その答えはエンジニアのチーミング文化にあるんじゃないか。というお話です。
マーケターは個人主義で秘密主義
「やってみなければ分からない」
マーケターという人種がよく言うセリフのひとつです。
・新機能のキャンペーンがあたるかどうかは、やってみなければ分からない。
・SNSでの広告施策でROIがどれくらいなるかは、やってみなければ分か・・・
・オウンドメディアがSEOでトラフィックが集まるかは、やってみn・・・
このセリフ、正直嫌いなんです。どう考えても責任放棄にしか聞こえないから。
とはいえ、「やってみなければ分からない」と言いたくなる気持ちも当事者なので分かります。なぜなら、
人がモノを買う行動は複雑系だから
※複雑系とは・・・相互に関連する複数の要因が合わさって全体としてなんらかの性質(あるいはそういった性質から導かれる振る舞い)を見せる系であって、しかしその全体としての挙動は個々の要因や部分からは明らかでないようなものをいう。
Wikipediaより引用
マーケターという職種は守備範囲が広すぎるので、ここではモノやサービスを売るためのプロモーションを統括する立場の人、と定義しておきましょう。
そんな人に売ること生業とするマーケターは日々、どうすれば自社の商品がバカ売れするか?に頭を悩ませています。この悩みを解消するもっともカンタンな方法のひとつが他社の成功事例を真似すること。
なのですが、残念ながら他社の成功事例をそのまま真似したところで、自社でも成功することはほとんどありません。
モノが売れる、あるいは人がサービスを買うという行動にはあまりに多くの原因や要因が絡んでしまっている複雑系なので、「これさえ取り組んでいれば成功間違いなし!」なんてテクニックは存在しないからです。
自身の経験を広めようとしない
マーケターが実戦経験を積んでいくと、なんとなくですが「このキャンペーンは成功するか?失敗するか?」を判断できるようになってきます。
しかし、「なぜ成功するのか?」という明確な理由を答えることは難しいままです。人の購買行動は複雑系ゆえにに多くの条件・要因が絡んでしまっているので、自身の経験知を言語化することができないのです。
「経験知の言語化が難しくて、他人に教えることができない。」
だから、マーケターは自身の経験を広めようとしません。
いえ決して意地悪で広めようとしないのではなくて、正直言って教える方法がわからないのです。
そうして、マーケティングチームというのは個人主義になっていきます。そして「やってみなければ分からない」という言葉で責任を濁してしまうのです。
エンジニアにはある、他人の経験を取り入れる文化
iCAREはまだ30数人の規模ですので、他部署の働き方もよく見えます。
特にエンジニアチームの働き方には学ぶ点が非常に多く。他人の経験を取り入れる文化があり、仕事の進め方そのものがチームとして生産性を最大化するようにできていることに気付きます。
たとえば、アジャイル開発
プログラミング、ソフトウェア開発も複雑系です。
従来の開発手法ではあらかじめ仕様を細かく定義して、予算をあてて人員を配置し、スケジュールを立ててスタートされていました。が、多くの場合は当初の予定通りに進行することはなく、期限の延長や最終成果物の変更をせざるを得なくなってしまいます。
一方で、アジャイル開発は変化することを前提としてプロジェクトを進行する手法です。
具体的にどのような開発をしているかは弊社エンジニアによる以下のスライドを参考にしてみてください。
同じ複雑系という課題を持っているものの、マーケターはあくまで個人の経験で立ち向かっている一方で、エンジニアはチームとして予測不可能性に対応できるようになっている。これは大いに見習うべきことです。
たとえば、OSS
あるいはオープンソースという存在も興味深いものがあります。
OSS(オープンソースソフトウェア)にはただ単に無償利用ができるという意味合いだけでなく、個々のエンジニアが協力しあってより良いソフトウェアに成長させていくという意味も込められています。
こちらも弊社エンジニアによる記事ですが、他人の経験を自然と組み入れる文化が根づいていることがお分かりいただけると思います。
このようにエンジニアの働き方には、ごく自然と個々人がもっている経験を集合知として有効活用していく文化があることが分かります。
マーケターの弱点を、エンジニア文化で補う
チーミングという言葉があります。
これまでチームや組織としての生産性を高めるにあたっては、リーダーシップに焦点が当たることが多くありました。しかし、今や仕事に関する社会状況や競合の変化は早く、たった一人のリーダーが試行錯誤する程度では十分な成果を発揮することが難しい状況となりました。
そこで、リーダーだけでなくメンバーそれぞれが自身の役割を明確に持ち、チームを一つの有機体として動かしていく考え方にシフトする必要があります。そうした活動全般がチーミングです。
チーミングをうまく機能させるために、他人の経験を取り入れる仕事の進め方は有効な方法のひとつ。
ついつい自身の経験に頼りがちなマーケターですが、これからはチームで戦っていかざるを得ない時代になります。時代に勝ち残るマーケターであるためには、エンジニア文化を参考にしていくチームとしての生産性を高める視点を得なければいけいないようです。
それでは次の年号をお楽しみに。