好きなことを仕事に、保健師という役割の枠を超えた挑戦の連続。チーム・会社文化が後押しに【みんなで選ぶCredo賞インタビュー】
iCAREでは、半期に一度の全社キックオフ・表彰イベントを行っています。その中でも少し特別な賞として、メンバー全員が投票して選ぶ「みんなで選ぶCredo賞」というものがあり、今回はProfessional Service部 Employee Successチーム サブリーダーの立山紫野さんが受賞しました。Credoを体現している立山さんがどんな想いを持っているのか、これまでを振り返りながら話してもらいました。
iCAREへ入社したのは社会全体で働く人の健康を創りたいという思いからだった
溝呂木
立山さんは入社振り返りのnoteでも、「”働くひとの健康を世界中に創る”というパーパスに強く共感をして入社を決めた」と書かれていました。どんな出会いがあり、入社に至ったんでしょうか?
立山
元々iCAREのことはSNSを通じて知っていました。転職意欲も当時は全く無かったのですが、カンファレンスに参加して初めてiCAREのパーパスに触れて、少し調べてみたり、実際に働いている社員のnoteを見たりしている間にどんどん惹かれていったんです。
ちょうどその時、保健師として従業員の方とどう関わっていくかを考えていた時期だったのも大きいですね。前職で私がいた事業所は約8000人の従業員が在籍していて、健康診断の結果の事後措置で、1年かけて全員と面談を実施していました。結構この活動は好きだったんですよね。
健康診断の結果が悪い人だけと面談をするのではなく、1年に1回は全員と面談する機会を持ちます。それは、健診結果の振り返りから生活習慣や仕事にまつわる話をすることで、データからは見えなかった、その人の日常の背景を知ることができるからなんです。この面談を通じて、データ上は一見問題がない方でもメンタルの不調に気づくことができます。面談時に問題はなくても、1年に1回保健師や産業医と顔を合わせる機会をつくっておくことで、何か困ったときに思い出してもらい、相談できる関係性をつくることが重要なんです。
溝呂木
とんでもない工数がかかりますよね。従業員8000人に対して、対応できる方は何名だったんですか?
立山
保健師が8名と、産業医が3名です。工数もかかってはいましたが、保健師としてのやりがいを持っていました。「健康診断後の全員面談」は社員共通の文化になっていたので、産業医や保健師への相談のハードルを下げる仕組みになっていたと思います。相談しやすい環境づくりを職場にどのように組み込むかを社員と会社組織の中立の立場で考えることは、とてもやりがいを感じました。
ちょうど、もっと皆さんが産業医や保健師と気軽に会う機会が持てないかなと考えていた時期でもあり、働くひと全員が「健康は大事である」と分かっているのに、強制力がない雇用形態の方たちは健康診断を受けていない方も多い。ふと周りを見渡してみた時に、自分の会社だけではなく、こういう方は多いんじゃないかと感じていました。同時に、「健康面で困った時や何か問題が起きた時、どうしているんだろう?誰がこの人たちの健康を気にかけるんだろう?」と思ったんですよね。そこで、まだ産業保健体制が整っていない会社で、その仕組みを創りたいと思っていたのもあります。
溝呂木
そこからどのようにして行動を起こしたんですか?
立山
ちょっとしたコツや健康の知識を知っていることで、自分の身体や心の変化のサインに気づき、自分でコントロールできる人が増えたらいいなぁと思っていたのもあるんですが、そういった「今は特に困っていない健康な人」は改まって健康相談には来ないんですよね。その人の日常の導線に専門職が出ていったほうが接点を持てると考えていました。行きつけのカフェのバリスタが保健師だったら?と思い、やってみたのがバリスタ・兼保健師です。
「コーヒー飲みに来ました」という理由をつくれば、「相談したい・話を聞いてほしい」とわざわざ言うハードルを下げれると考え、コーヒーがコミュニケーションの入口となるようにしました。有難いことに好評で、ニーズがあるのは分かったんですが自分1人ではリソースが足りないと気づき、こういった仕組みを複数人で作る仕事が出来たら、色々な人に良い影響があるのではと思っていました。
ちょうどそのタイミングでiCAREの話を聞いたんですが、専門職サポート(※1)サービスが軌道に乗るか乗らないかくらいの時期で、健康管理システムの活用だけを支援するのではなく、iCAREの産業保健スタッフがデータを見ながら支援する仕組みが自分の中でヒットし、やりたいことは正にこれだ!と思いました。世の中の産業保健スタッフの数も限られているなかで、システムを活用した産業保健体制の構築を仕組みとして一緒に働く仲間と構築できていったらいいなと思っていたので、共鳴した瞬間でしたね。
(※1:専門職のナレッジを活用した、産業保健体制の構築・業務支援サービス)
全ては「産業保健スタッフの可能性を広げていくんだ」という想いが原点に
溝呂木
行動とタイミングが重なった瞬間ですね!これまでを振り返るとどうですか?
立山
濃くてあっという間でしたね。サービスをなんとか安定稼働させるのに加え、組織的にも不安定な時期だったので人の出入りも多く、かなりハードな時期でした。最初は担当社数も6社ほどの予定だったんですが、気がついたら10社、多い時で12社ほど担当していました。
マネージャーをはじめとしたチームメンバーがサポートに入ってくれたんですが、自分の業務の効率性も考えながら、チームで使える共通のノウハウを探していました。会社ごとの個別性はあるんですが、どの会社にもいえる共通部分もある。全員のクオリティを標準化できたらiCAREのESチーム全体のクオリティが上がると思い、ナレッジ化にも取り組んできました。
システムは便利だけども、使ってもらわないと価値は出ません。ユーザーさんに「Carelyの窓口担当がつきます」とだけ伝えるより、どういう経歴や知識がある保健師が対応するのかや、対応できる相談内容など、より具体的な活用イメージを持ってもらえることを意識していました。
例えば、ストレスチェックが終わったタイミングに、産業医面談だけではなく保健師面談も利用できること、その面談は何故実施し、どんな内容を相談可能か、活用イメージをもてるようなマニュアルを作ったりしています。
こういったものは私だけではなく他のメンバーも提案資料として使えますし、サービスの質も上がり、自分たちの業務効率も改善できる。最初に工数はかかるけども、長期的に見て考えるとやるメリットのほうが大きいんですよね。
溝呂木
どうしても担当社数が増えていくと機械的な対応になりがちですが、立山さんからは「絶対にそうさせない」というポリシーを感じます。そのあたりの工夫はありますか?
立山
一言でこれというのは難しいんですが、究極の理想として、自分がいなくても成り立つことじゃないですかね。専門的で属人化しがちなサービスだからこそ、あえてそこを避けるんです。クライアントからすると「この人だから相談したい」があるのは理解しているけども、いつ誰が対応しても同じサービス品質で価値を届ける、私はここにこだわりたいです。
たまに「立山さんだから出来るんだよ」と言われることがあるんですけど、私の中では違うなと思っています。出来ることと出来ないことを徹底的に言語化し、出来ないことに対してはなぜなのか?を詰めていく。
クライアントとiCAREはサービスを提供する側・受ける側という関係ですが、私は「クライアントの産業保健スタッフのいちメンバー」であると思っています。同じ会社ではない人に何かを相談するってハードルが高いと思うんですが、そこを打破して一つのチームだと思ってもらえる関係を作っていきたい。その原点は「産業保健スタッフの可能性を広げていくんだ」という想いです。全てはここに回帰するんだなと感じています。
皆が選ぶCredo賞受賞の裏側にある、チームへの感謝
溝呂木
1年やってみて、成果が出たからこそ今回の受賞だと思っています。今回のみんなで選ぶCredo賞を受賞してみて、どう感じていますか?
立山
目の前のことをひたすらやってきたので、何かたいそうなことは正直言えないです。その中でも、入社時に思っていたことと繋がるのは「ひとりではなくチームでやっていく」ですね。ひとりではすぐに限界がくるので、いかに組織で成長させていくか?という視点が今回に繋がったと思っています。
「ちょっと厳しいかも!」と思うことは何回もあったんですが、とにかくやり切ることにこだわった。自分の立てた目標を、「忙しくてできませんでした」は絶対に無いなと思ってましたね。負けず嫌いなんで(笑)
部長の金原さんからも、「目標は会社との約束で、その約束をやり切ってくれてありがとう」と言われた時に、「ひとつやり切ったんだな」と実感しました。頑張ってきてよかったとも思いました。
特にこの半年間はESチームだけではなく、iCAREで働く皆のことをもっと知りたいと思っていました。新しい施策のIppuku Stand(イップクスタンド)を始めたのもその1つです。でも、これは私だけでやったものではなく、ESチームや人事とも一緒にやってきてそれが一つの形となり、賞をいただけたと思っています。意思を尊重してくれるチームと会社があってこそなので、その感謝は忘れないようにしたいですね。ありがたいです。
溝呂木
チームで成果を出すにあたって、今のESチームはどういったチームですか?
立山
看護師、助産師、心理士、産業看護職として複数企業を受け持ったキャリアがある人や、1社の企業を立ち上げてから長い年数かけて育ててきた人もいたりと、メンバーそれぞれ経験のバックボーンが違うからこそ、意見を出すにしても色々な目線から意見が出るチームです。何かあったときにフラットに相談して、お互いが忌憚なく意見が言い合えるっていうところが、すごく頼もしいなと思いますね。
皆さんそれぞれの専門性はもちろんですが、全員に共通するのはプロ意識がとても高いんです。私も身が引き締まるし勉強にもなる。iCAREで保健師やってて良かった、このチームに入ってよかったなとしみじみ思います。
キャリアとしてもいい経験を積めているという実感もありますね。会社ごとに健康課題は違います。解決していくためにカスタマーサクセスのようなこともやりますし、ニーズがあれば事業開発のようにサービスをゼロから作ります。保健師という業務の枠を超えて色々関わって経験ができるのは、1社専属では難しく、iCAREだからこそできる経験だなと思います。
iCAREのカルチャーが背中を押してくれ、好きなことを仕事にできた
溝呂木
採用に関わる身として一番嬉しい言葉です…!立山さんが関わるプロジェクトの代表としてIppuku Standが挙げられると思いますが、やろうと思ったきっかけは何ですか?
立山
コロナ禍になり、日常の休憩やちょっとしたコミュニケーションにおける「余白の時間」を取りづらくなったと感じます。何かあった時に、「もっと早くこの変化に気づけたら」と思った経験があるんですが、気づけたとしても、その人と日々の関係性がなければ何も言ってもらえないんです。そこで、ちょっとしたときに相談できる関係や顔色の変化に気づく機会など、普段の小さなコミュニケーションを取ることは大切だと改めて気づきました。
昔はよく見られましたが、タバコ休憩で一服しながらコミュニケーションを取る文化があったように、喫煙の有無を関係なしにちょっとしたコミュニケーションの機会がほしいとずっと思っていました。日本人は真面目なので、業務中にコーヒーを飲むのはサボっている!と思われがちです。一服する=息抜きするために必要な時間として、会社が10分でも提供する仕組みをもてれば人の心理的に行動しやすいと思い、前職の時からどうやったら実現できるか考えていました。
世の中の情勢も少し落ち着いてきて、そこへiCAREも健康施策として何かやりたいというニーズが出てきたタイミングが重なり、マネージャーの山本さんにやりたいと相談しました。山本さんも一緒に何ができるかを考えてくれ、形になりましたね。
元々趣味でコーヒーを淹れることが好きでバリスタ・兼保健師としてイベントもやっていたので、自分の好きなことを通じて人とのコミュニケーションをもっと豊かにできるのなら夢が叶うような気持ちでした。これがiCAREで実現できて、1個の施策として継続できるような形で今やらせてもらっているのが嬉しいです。好きなことを仕事にするのはとても幸せなことですよね。
溝呂木
iCARE全体でチャレンジを応援してくれる環境がありつつ、立山さん自身もクレドやバリューを体現してきたと思うんです。普段意識しているクレドバリューはありますか?
立山
「自分にフタをしてないか?」ですね。チャレンジのきっかけをくれる良いことばで、ある意味免罪符になっているとも思っています。
iCAREは何かチャレンジすることに対して応援してくれる文化で、失敗したとしてもまずチャレンジしたことを讃え、次に活かそうという組織風土があります。私はこの文化がとても好きで、それがこの「フタ」というワードに詰まってると思います。自分が今コンフォートゾーンにいるという時に、自分に良いプレッシャーをかけて背中を押してくれる言葉ですね。
せっかくiCAREで保健師として働いてるので、今後はCarelyを活用した産業保健体制の構築や活用事例を作り、更にそれをESチームの中で共有していきたいと思っています。まさに仕組み化のところですね。フタをせずチャレンジです!
溝呂木
改めてみんなで選ぶCredo賞の受賞、おめでとうございます!
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取材・執筆:らびー(溝呂木)