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スタートアップの資金調達のリアル 〜iCAREのシリーズEはここが違う〜by経営企画室

iCAREは先日2月7日に資金調達を発表しました。このOfficial noteでは「シリーズEの舞台裏」というマガジンの中で、これまでと比較したiCAREの変化や今後についてCxOより投稿してきました。今日からは、各記事について「現場は実際こう思っている!」というアンサーノートをリレー形式で投稿していきます。

この記事では、資金調達の経緯について書かれた「CFOの視点から」という記事の内容に対し、経営企画室の小松よりお送りします。

iCAREの経営企画室の小松です。
この度、iCAREはシリーズEとして複数投資家及び複数金融機関の皆様より合計19億円の資金調達を実施させていただきました。
今回の資金調達での僕の役割は、契約内容の交渉も含めた調達実務の全般でした。そこで、シリーズEラウンドの調達実務の実情や、実際に実務を行う中で感じたことを中心に現場目線で書きます。

スタートアップの資金調達の一つのケースについて記載したいということと、iCAREの現在の現場の状況が少しでも伝われば、ということを考えています。

つまり当noteは、先日CFOの加藤が「CFOの視点から」という趣旨でシリーズEについて書いているnoteの敢えての現場目線版とご理解ください。
ということでまずはCFO加藤のnoteを読んでいただいた上で、当noteを読んでいただいた方が全体感をご理解いただけるかと思います。

経営企画室について

2021年11月にできた部署になります。
ミッションは「会社のフェーズに応じて注力領域を見極め、事業・財務両面で企業価値向上の先導役としての役割を果たす」です。

財務機能(資金繰り管理、資金調達)は経営企画室にあります。従来はコーポレート部にありましたが、スタートアップの資金調達は資本政策と密接な関係にあるので、IPOプロジェクトを管掌している経営企画室にあった方が良いということで、現在の形に落ち着いています。

シリーズE終了時までの僕の役割は主に資金調達、IPOプロジェクトの推進、業績の予実管理その他諸々です。
変遷ありましたが現在のメンバーはCFO加藤含め3名であり、小さめな室です。

現場目線での総括

前回の資金調達であるシリーズDは2020年12月に実施しています。ですので、今回の資金調達は前回ラウンドから約1年ということになります。
2020年当時は従業員数が約50人強であり、現在の半分程度でした。

シリーズDから調達金額の桁が一つ上がり、大型の資金調達を行ったことで組織の拡充も加速させることができ、当時より更にお客様の期待に応えられるようになっているのではと思います。
それが直近1年の各種数値の成長に現れているものと考えています。

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今回のシリーズEラウンドに関しては、投資家の方からフォローオン投資を頂けたことがiCAREにとって大変素晴らしいことでした。これまでiCAREは高い成長角度を達成してきましたが、更なる成長を期待いただけている証左と理解しています。

加えて、今回のシリーズEの資金調達の一つの特徴は金融機関様からも一定の金額での調達を行うことができたことだと思っています。第三者割当増資での調達ではなく、借入での資金調達の場合、成長性も重要な要素ではあるものの、貸した資金が返ってくるのかという意味で事業の安定性をより確認されることになります。

金融機関様からの借入自体は今回が初めてではないものの、今回のような大型調達の中でご協力頂けたことは、2019年に入社し当時から継続的に様々な金融機関の方とコミュニケーションをとってきた身としては感慨深いものがあります。従来からヘルスケア領域の中でも特に「働くひとの健康を世界中に創る」という産業保健領域にフォーカスしたB2Bビジネスというユニークなポジションや成長性はご理解頂けていたのですが、直近1年で更にビジネス基盤の確立に基づく財務的な安定性を評価していただけたと思っています。

調達実務

まず期間ですが、今回の調達実務に要した期間はそれぞれ第三者割当増資で2ヶ月、借入で約4ヶ月であり、実際には期間の重複があるので約5ヶ月程度を要しました。

特徴的なのは第三者割当増資の2ヶ月かと思います。通常の第三者割当増資での調達に要する期間としては極めて短いのではないでしょうか。多くは6ヶ月程度、場合によってはそれ以上のケースもあるものと認識しています。今回は基本的に既存投資家様からの調達であり、日頃から適切なコミュニケーションを取れていたことから実現できたものと理解しています。ただし、当初からデイリーでスケジュールを引く程にかなりタイトであったのは事実です。投資家の方々にも多大なご協力を頂きましたし、リーガルチェックを依頼した法律事務所の方にもご協力頂けた結果実現できました。

次に第三者割当増資と借入についてそれぞれ重要だったと思うポイントです。第三者割当増資について最も重要だったのはValuationでした。具体的な金額は公開できませんが、足元の着実な高角度での成長に加えて将来的な成長を織り込んだ形での評価を頂けたと思っており、だからこそ前回ラウンドから1年程度という比較的時間が経っていない時期での調達が実現できました。資金調達については様々な考え方があるかと思いますが、個人的には資金調達はあくまでも事業成長の手段の獲得であるので、できる時にスピーディにやっておくということが重要なことの一つであると考えています。

借入については、上記でも触れましたがやはりどこまで行っても返済原資の創出ということに尽きるかと思っています。一般的なSaaSのビジネスモデルの会社がそれを説明することは、将来事業計画の蓋然性が十分にあることを説明すること、若しくは将来計画が達成できなかった場合にも返済ができることを証明するということですので、ハードルが一定あるものと認識していますが、この点をご理解頂けたのは非常に大きいですし、iCAREの事業への信頼が増大していることを実感できました。

このセクション最後は、組織という観点から資金調達を実施して思うことです。スタートアップの資金調達というイベントは、成長しているスタートアップであること、若しくは成長を期待されているスタートアップであることの証明、という形で見られることが多いと思います。それは資金調達の一つの側面として事実ですし、分かりやすいところだと組織のモチベーションの向上や採用へのポジティブな影響として現れます。今回の調達も直接の目的ではないものの、これらの効果が出たら嬉しく思います。

iCAREのメンバーには、日頃の業務の評価としての資金調達の実現であり、資金調達の実現により更なる成長を目指せるということが伝わればと強く思います。そのために全社ミーティングなどでは適宜状況を共有しています。採用に関しても各部署絶賛募集中で、経営企画室も採用中ですので、ポジティブな効果が出たらと思います。過去に比べたら事業の基盤は間違いなく出来上がってきていますが、まだまだ高い成長を志向しており、当然ながら資金があれば達成できるわけではないので、今回の資金調達を経て、より事業をスケールしてくれる方の入社が増えたら嬉しく思います。

今後

資金調達に限らない「今後」を書きます。
今更ながら手前味噌ですが、iCAREへのお客様、投資家や金融機関の皆様からの信頼や期待は日々高まっているものと感じています。一方でiCAREの事業はまだこれから今の延長線上ではない高い成長を引き続き目指します。組織体制や制度という観点でも直近のIPO準備が分かりやすいですが、全社としてこれから本格的に整備をしていきます。そのために自分も含めて既存のメンバーがより成長していく必要があることは勿論、素敵な仲間のiCAREへの参加をお待ちしています。

僕個人の話を少しだけすると、iCAREに入るまでは銀行員と公認会計士をしていて、入社以来全ての業務が初めてなので非常に楽しく過ごしています。個人的には、職種によって異なりますが経営企画室としてはそういった流動的な状況に耐えうる、所謂曖昧耐性がある方がまだ必要なフェーズだなと思っていて、そういう状況を一緒に楽しめる方と働きたいなと思っています。


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