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【序章】今さらだけどAI(人工知能)が怖いから歴史を紐解いてみる

どうも、宇宙が好きなたけCです。

文字数3,594文字 : 読了まで8分58秒

先日のホーキング博士の訃報には驚きを隠せませんでしたね。『ブラックホールの特異点定理』で知られる博士が、現在のブラックホール理論の基礎となった『一般相対性理論』を発表したアインシュタインの誕生日に亡くなったことには何かを感じざるを得ません。。。博士のご冥福をお祈りします。

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「兄ちゃん、人工知能があれば勉強せんでよくね?」

先日、実家に帰った時に年の離れた弟(今年高校三年生)から言われた一言です。受験勉強と部活をどうやって両立させていたのかの経験を話していた時に、三男の口からポロっと出てきた言葉です。

これ、どこかで聞いたことありませんか?

「Google翻訳があるんだから、英語の勉強っていらないよね。」
「Wikipediaがあるんだから、歴史の暗記とからいらないよね。」
「エクセルを使えば、自分で計算できる必要ないよね。」

んー確かに!
僕もそう思っていた時もありました。

思い返せば、パソコンが一人一台に普及しはじめた時にも
「これで仕事が楽になる!」っていう風潮があったじゃないですか。

インターネットでいろんなものが調べられるから、
「これで無駄に暗記する必要がなくなった!」って思ってたじゃないですか。

技術の進歩で仕事は楽になった??
でも結果、どうなったでしょう?僕たちの仕事は楽になったでしょうか?覚えなければならないことは減ったでしょうか?

残念ながら僕が見る限りそんなことはなかった。
相変わらず仕事は忙しくて、より高度なことを、より大量に処理していかなければならない。学校では習わなかったことを社会人になってから知り、毎年のように新しい技術やスキルを身につけていかなければ生き残ってはいけない。

なんだか人間である僕たちがパソコンやネットに振り回されているような錯覚さえ覚えてきます。。。

人工知能が僕たちの仕事を奪っていく??
この二年ほどの間に、AI・・・人工知能と呼ばれるものが急速に成長してきているようです。

聞くところによると、人工知能は今までのパソコンやネットと違って本気で僕たちを仕事から解放してくれるほど高性能なようです。いやもっと直接的にいうと、人工知能を積んだロボットが人間の仕事を半分は奪っていくようです。


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人工知能は僕たちのプライベートを丸裸にする??
人工知能がその能力を急成長させてきた背景にはビッグデータというものがあります。
ビッグ(大量で広範囲に及ぶ)なデータ(定型的な記録)を簡単に短期間で集められるようになってきたから、人工知能がその賢い処理能力で何万、何億通りといったシュミレーションを繰り返せるようになったようです。

じゃぁそのビッグなデータとは一体なんのなのか?っていうと、僕たちの個人的な情報です。

朝、何時に起きて夜は何時に寝た?通勤は何時にどこの駅から乗って、何分ぐらい歩く?昼食はどこのお店に週何回通ってる?いつも休日の午後3時にはどこのスーパーに買い物に行って、月に一回はどんな食料品を買ってる?旅行にはどこに、誰と、どれくらいのペースで?晴れの日と雨の日で、コンビニで買う飲み物は変わる?友達は何人で、男女比は?etc...

どうも僕たちのプライベートな情報はどこの誰かは知らない奴(人間かどうかも分からない)がデータとして保存しているようです。自分が気づいていない細かな情報まで。

人工知能を、生みの親である人間がコントロールできない?

シンギュラリティ・・・技術的特異点。もし人工知能を積んだロボットが、自分よりも高機能な人工知能を持ったロボットを作れるようになったら?たぶん、おそらく、間違いなく、もう人間のコントロールは効かなくなるでしょう。

産業革命以降の200年間で人類は恐ろしいスピードで進化しました。それまでの人類の歴史(仮に新人類を出発点として)20万年の進化はほぼ0に思えるほど高度にかつ高速に進化しましたよね。もう僕たちは産業革命以前の生活には絶対戻れません。

それと同じこと、いやもしかするとそれ以上に大きなギャップが生まれる歴史の転換点となるのがシンギュラリティです。

つまり、人工知能が自分たちの意思で技術を進歩させることできるようになったら・・・もう僕たちの今の生活に後戻りすることはできないということです。先の未来が良くても悪くても。


不安なのは、よく知らないから

・・・と、人工知能に対して期待もあるし不安もあります。どちらかと言うと不安の方が強いかもしれません。(僕は期待ばかりだけど、不安だけの人がいることも知ってます。)

日本人的には、単なる不安と言うよりも「畏怖」と言った方が実感しやすいかもしれませんね。その昔、雷や洪水といった天災に対して、僕たちのご先祖様は神様の怒りと捉えて最大限の畏怖を抱いていました。

よく分からないこと、なぜそんなことが起こるか知ることができないこと。

後に科学が発展して様々な現象を人間が理解できる形で表せるようになりました。どれくらいの危険性があるのかを知り、対処法を学び、必要以上に恐れることがなくなってきました。

もしかすると僕たちが今、こうして人工知能に対して怖れを抱いている最大の理由はAIとは一体なんなのかをよく知らないからだと思います。

なので今日から僕の記事では「AIとは一体何者なのか?」をコンピューターの歴史と共に紐解いていく連載企画にしようと思います。


未来を予測するなら、ドイツ人の声に耳を傾けよう

未来に起こるであろうことを予測し、対策をとるには、歴史から学ぶことが最適だ。

ちょっと横道にそれてしまうけど、ここで言う歴史とは史実そのもののことではないよ。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」
ドイツの宰相ビスマルクの名言は、よく誤解される名言の一つでもある。

彼が言った言葉は正確にはこう、、、

「君は自らの経験から学ぶことができると言う愚かな考えだ。私はむしろ他人の失敗を学ぶことで、自らの失敗を回避することを好む。」

誰だって失敗は怖い、嫌だ、避けたい。
もし歴史=他人の失敗を学ぶことで、明らかに失敗するルートを知ることができるのであれば、失敗する可能性を1ミリでも下げることができるのであれば、歴史を学ぶ価値はある。

聞くところによると、人工知能というのはそれを実現するにあたって数々の失敗があったようなんです。その構想自体は3500年前から(聖書の中に人間らしいモノを作る一節がある) らしい。実際の研究が始まったのは100年ぐらい前からだけど・・・

歴史は繰り返す。が、同じ道は辿らない。
もう一つ、僕が未来予測を立てる最善の方法が歴史を学ぶことだと思う理由がある。

『弁証法』
その中でもドイツの哲学者ヘーゲルの哲学思想ですね。

小学生の頃から、年号を暗記するということが極端に嫌いだったせいで歴史が苦手だった僕。大人になって事あるごとに歴史から学ぶようになったキッカケは、ヘーゲルの弁証法にある一つの法則を知ったからなんです。

その法則とは、「螺旋的発展の法則」。
物事が発達・発展していく道のりは螺旋的であるということですね。

螺旋とは螺旋階段のあの形状のこと。
ふつうの階段とは違って直線的に上昇していくのではなく、ぐるぐると回りながら上へと駆け上がっていく形の階段です。

螺旋階段は確かに横の視点から見ると直線的に上昇しているように見えますが、真上の視点から見ると同じ場所をぐるぐるとまわっているように見えます。しかしそれは同じ道ではない。

このように、これから僕達が体験しようとしている未来の歴史は、過去の歴史を繰り返すように物事が進歩・進化していく(はず)。

だから、正体不明のAI=人工知能が一体何者なのかを知るには、過去に多くの人が失敗してきた人工知能の歴史を知ることが最適だと思うんです。

ビスマルクとヘーゲル、二人のドイツ人から僕が学んだように。


AIの歴史を紐解く! の連載内容

長くなってきたので今日の序章はここまで。来月からは本格的に「AI、人工知能とは一体何者なのか?」という疑問を、コンピュータの歴史を紐解くことで解決していきましょう。

今のところ次のような内容で連載をお届けする予定です。(変更の可能性あり)

【序章】今さらだけどAI(人工知能)が怖いから歴史を紐解いてみる←今ココ
【第一章】人間は、心を作れるのか?コンピュータの生みの親たち
【第二章】方針転換!人間を賢くしてくれる機械を作ろう
【第三章】誕生、サイバー空間に漂う巨大な頭脳
【第四章】60億人が知識を共有する最後のワンピース
【第五章】ついに姿を現す人工知能。彼らは人間の味方か、それとも
【最終章】20年後の近い未来。そして人類は何から解放されるのか

それではこのあたりで。

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